
円形脱毛症は性別や年齢に関係なく、ある日突然毛髪がバサッと抜ける症状です。自然に治ることもありますが、そうでない場合は早期に治療をした方が早く回復し、再発も防げますので、皮膚科の医師に相談しましょう。
円形脱毛症の原因と種類
円形脱毛症の原因や症状のパターンについてご説明します。
円形脱毛症の症状
円形脱毛症の症状は、ある日突然、何の前ぶれもなく毛髪が円形や楕円形に抜け落ちてしまいます。脱毛は、1カ所の場合もありますが、数カ所に起こったり頭髪だけでなく体毛も抜け落ちてしまうこともあります。
発症に男女差はなく、学童期や青年期に起こることが多いようです。子供の発症者のうち約半数にアトピー性皮膚炎の合併症がみられます。患部にかゆみや痛みはなくバサッと抜けるのが特徴です。
円形脱毛症の進行
さらに脱毛が進めば脱毛斑(髪が抜け落ちたところ)が融合して広がり、それが頭部全体に広がれば全頭型脱毛になります。脱毛斑がなく1〜2カ月で頭部全体の髪が抜け落ちてしまう場合(急速進行型の全頭型脱毛症)もあるので、小さな円形脱毛症でも見つけたら早めに医師に相談しましょう。
円形脱毛症の種類
円形脱毛症には図のように「単発型」(頭部に1カ所のみ)、「多発型」(頭部に数カ所)、「全頭型」(頭部全体)、「汎発型」(毛髪だけでなく体毛なども抜ける)、「蛇行型」(側頭部や後頭部の生え際が帯状に無毛となる)があります。

■円形脱毛症の種類
円形脱毛症の原因
円形脱毛症の原因は、未解明の部分が多いのですが、免疫機能を司る「リンパ球」の働きが異常をきたすことにより起こると考えられています。本来の自己免疫システムは体内に侵入してくる「外敵」を排除しようと働きますが、円形脱毛症では、毛包を「外敵」と間違えて、攻撃してしまうことで脱毛を起こします。
円形脱毛症の治療法
円形脱毛症の治療には次のようなものがあります。
生活習慣の改善による自然治癒
単発型の場合、8割から9割は2〜3カ月で脱毛が止まり、自然に治癒します。しかし発症してから脱毛している期間が長くなればなるほど、治療が難しく再発してしまうことが多いので、小さな円形脱毛症を見つけたら放置せず医師に相談しましょう。疲れや精神的ストレスをためず、十分な休息と睡眠、バランスのよい食事を取るよう心がけましょう。
薬物療法
円形脱毛症の治療に用いられる薬には、次のようなものがあります。
ステロイド剤(外用・内服・注射)
毛根の炎症を抑える薬。内服ではさまざまな全身的な副作用に注意が必要です。
血管拡張剤(外用・内服)
血行を促進して髪の発育に必要な栄養を補給します。
抗アレルギー剤(内服)
免疫の働きを調整。特にアトピー性皮膚炎との合併症に用います。
免疫抑制剤(内服)
免疫の作用を抑制。免疫力が下がるので、他の感染症に感染しないように十分注意します。
物理化学療法
物理化学療法は頭皮に人工的な刺激を加えることで、リンパ球の働きを抑制したり、頭皮の血行を促進します。
特殊な紫外線の照射
特別な治療用の蛍光灯を使って特殊な紫外線を患部に照射して、細胞の活性を抑えます。
液体窒素療法
液体窒素を患部に当てて、血行を促進するとともに軽いやけど状態になった患部にリンパ球が集まることで、炎症を抑える効果があります。
局所免疫療法
軽いかぶれを起こす化学物質を患部に塗って皮膚炎を起こし、毛包を攻撃するリンパ球の力を弱めます。
ほかにも、心理的な不安を取り除く治療法などもありますので、一度医師に相談してみましょう。
【監修】 東京医科大学皮膚科学講座 助教 入澤 亮吉(いりさわ・りょうきち)
構成・文/宇山恵子
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